原理と製品特徴

PLD法(Pulsed Laser Deposition)は高エネルギー密度のレーザー光をターゲットに照射し、ターゲット表面をプラズマ化させ、対向する基板上に製膜する技術です。パルスレーザー堆積法、レーザーアブレーション法などの名称で呼ばれています。
レーザー光をターゲットに集光すると集光部のターゲット表面は高温、溶融状態となり、その表面が蒸発、気化し、ガス状粒子(励起原子、励起分子、イオン)が柱状に放出されます。この現象はアブレーション(ablation)と呼ばれ、この柱状粒子群(プルーム)が拡散し対向した基板の表面に物理吸着、堆積して薄膜が形成されます。レーザー光の入射角度に関係なく蒸発種はターゲット面に垂直に飛び出します。PLD法ではレーザー光の吸収のない限り自由に雰囲気を選ぶ事ができ、不純物混入の恐れが無く超高真空から低真空まで同一の装置を使う事ができます。又、蒸気圧の異なる多元素の材料を同時に蒸発させる事ができ、本質的に組成ずれが少ない製膜が可能で、多元素の化合物の薄膜形成に有効な手法です。
フィンランドPicodeon社はピコ秒レーザーをスキャニングさせる事により、格子振動による熱の発生前にターゲット最表面を瞬間的に蒸発させるコールドレーザーアブレーションという新しい製膜技術を開発いたしました。従来のPLD法では難しかった製膜エリアの大面積化、ロールツウロール、更に基板を熱で傷める事の無い室温での製膜を可能にし、金属、誘電体、高温超伝導体の製膜、離型性 / 機械強度向上の為の表面コート、光学薄膜、生体適合性材料など様々なアプリケーションでお役に立てる新しい技術です。

従来のアブレーション

レーザーのエネルギーが熱変換され周囲の材料を溶解、パーティクルを生成

ナノセカンドパルスレーザー
  • ターゲットやチャンバー内での大きすぎる熱変換が、基板、ターゲットにダメージを与え材料を制限
  • プラズマスピードが遅い為結合が弱い
  • パーティクルやピンホールを生成し膜質が低下
  • 製膜レートの制御が困難(マイクロオーダー)

コールドアブレーション

短いパルス幅のレーザーを使用しターゲットをスキャニングする事により、エネルギーが熱変換される前に材料を蒸発

ピコセカンドパルスレーザー
  • 熱変換が無い為基板、ターゲットにダメージを与えず材料の制限が無い
  • プラズマスピードが速い為強く結合し密着性が高く高密度
  • パーティクルやピンホールを生成しない為高膜質
  • 製膜レートの制御が容易(ナノオーダー)

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ポリゴンスキャナーによりレーザーがターゲット上をスキャニングする事により製膜

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コンポジット材料の製膜が可能

コンポジット、マルチレーヤー、どの様な材料のコンビネーションでも製膜可能です。ターゲットと薄膜の組成ずれが少ないため組成制御が容易です。

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